無線機自動発信システム


30数年前にアマチュア無線の免許(旧電話級)を取得してましたが、実際にCQコールで誰かと交信したことはありませんでした。
今回突然思い立って、mixiで「アマチュア無線練習会」というコミュを作りましたが、気軽にハンディ無線機で交信できそうな仲間が集まりません。
そもそも、私の環境とハンディ無線機でどの程度の距離交信可能なのかが分かりません。試してみるにも相手がいません。
そこで、自分ひとりで通信実験することにしました。

パソコンで無線機をコントロールするアイコム社のCI-V(Communication Interface-V)というプロトコルがあるようですね。
しかし、私のハンディ無線機は八重洲社製だし、無線機をコントロールといっても、送信と受信を切り替えるだけで済みます。
そこで考えたら、いままで多用してきたPICマイコンで自動発信システムが自作できました。
無線局のリモート運用には本来申請が必要とのことですが、一時的な実験なら申請不要です。


システムの使い方

(1)無線局免許人(この場合、私)は、発信地となる自宅に送信局機器セット(無線機A)を設置する。
 また、受信地に持ち出すもう1台の無線機Bを用意する。
(2)仮に周波数144MHz帯を使用する場合、実験・研究用は146.65~145.80MHzなので、その中の1チャネルを選択して2台の無線機A,Bにセットする。
(3)送信局機器セット(無線機Aを含む)と無線機Bの電源をオンする。
 すると、無線機Aは送信モードになり「こちらは7N4XXX、、セブン、ノベンバー、フォー ・・・・終了操作するまで、自動送信を繰り返します。」というメッセージの送出を開始します(約50秒)。
 そして、20秒間待機(受信)モードになります。
 この後、無線機Aは、送信約50秒→受信約20秒という上記動作を繰り返します。
 免許人は、受信地を移動しなから無線機Aのメッセージを聞いて電波の受信状態を確認する。
(4)無線機Aの待機中の20秒の間に、他局から「ブレイク」などの呼び出しを受けた場合、無線機BもAと同様に受信しているので、無線機BからAに第1のDTMF信号(電話のブッシュホン信号)を送出する。
 無線機Aはその信号を受信すると、20秒待機の終了後、その後の発信動作は休止します。
 もし、他局から当方のコールサインで呼び出しがあれば、免許人が無線機Bで応答するようにします。
(5)他局の呼び出しがなければ、無線機BからAに第2のDTMF信号を送出する。
 すると、無線機Aは、送信モードになり(3)の動作を再開します。

送信局(無線機A)
受信局(無線機B)
(3)
「こちらは7N4XXX、、セブン、ノベンバー、フォー ・・・・終了操作するまで、自動送信を繰り返します。」(50秒)
(待機) ・・・・ ~20秒経過~
(3)
「こちらは7N4XXX、、セブン、ノベンバー、フォー ・・・・終了操作するまで、自動送信を繰り返します。」(50秒)
(待機) ・・
(4)
DTMF信号[1]
・・ ~20秒経過~
DTMF信号[2]
(5)
(送信再開)
「こちらは7N4XXX、、セブン、ノベンバー、フォー ・・・・終了操作するまで、自動送信を繰り返します。」(50秒)

回路図




システム構成について

項番
品名
仕様
備考
(1)
無線機
144/430MHz デュアルバンドFMトランシーバー FT-65
この機種は、PTTキーを押しながら特定のボタンを押すと、DTMF信号を送出する機能があります。
(2)
MP3プレーヤー
マイクロSDカードに保存されたMP3ファイルを再生する基板です。
(3)
DTMFデコーダー
松本無線パーツ(株)岩国製 TK-70S
昔自作装置で使ったものだが、すでに販売終了している。 また、mt8870 DTMF音声トーンデコーダモジュール電話オーディオ音声復号化モジュールも利用できそうです。
(4)
マイコン
私は長年、このツールでPICマイコン回路を開発しています。
(5)
トランス
昔から多用されているオーディオトランスです。

音声メッセージの生成について

自動送信する音声メッセージはパソコンで簡単に生成できます。
私は、Windows10-PCで次のように作成しました。
これは現在MP3プレーヤーにセットしている音声メッセージの実例です。
(1)以下の内容のテキスト文書(私はSHIFT-JISコードでうまくできている)を作成する。

$ps_speak=New-Object -ComObject SAPI.SpVoice
# 発音速度を設定 (-10 が最も遅い、10 が最も速い)…この行はコメントなので不要
$ps_speak.Rate = -2 # 少しゆっくりに設定 Write-Host "MSG0919.PS1
$MSG = "こちらは、セブンエヌフォー、ティーシーピー。セブン、ノベンバー、フォー、タンゴ、チャーリー、パパ。発信地、神奈川県川崎市多摩区。ハンディ無線機で、百44メガたい。パソコンの合成音声で、自動送信の実験をしています。50秒ほど送信した後、20秒ほど待機します。待機中に他局から呼びかけがあれば、自動送信を中止します。呼びかけがなければ、免許にんが終了操作するまで、自動送信を繰り返します。"
Write-Host $MSG $ps_speak.Speak($MSG)

(2)上記文書を例えば、MSG_144M.PS1 というファイル名でディスクに保存する。
(3)いつものファイル一覧表示画面で、そのファイルを右クリック → PowerShellで実行
 どなたかが、ここでパソコンのスピーチ機能について解説されてます。
 https://blog.serverworks.co.jp/powershell-to-speak-voice
  送信メッセージ視聴

2024.09.27
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